大切に育ててきたストウブのお鍋、ふとした瞬間に焦がしてしまうと、心臓が止まるくらいショックですよね。
「やってしまった…」と呆然とするその気持ち、痛いほどよく分かります。
実は私自身、先日煮込み料理中に火加減をうっかり間違えてしまい、鍋底を真っ黒な炭状態にしてしまった経験があるんです。
お気に入りの鍋だけに、自分を責めてしまいますよね。
でも、安心してください!
その焦げ付き、家にある「重曹」だけで、嘘みたいに綺麗に落とすことができるんです。
ゴシゴシ擦って腕が疲れることも、鍋を傷つける心配もありません。
この記事では、私が実際に試して効果抜群だった方法を、失敗しないコツや科学的な理由も含めて、どこよりも詳しくご紹介します。
これを読めば、焦げ付きなんて怖くなくなりますよ。
- ストウブの焦げ付きを重曹で安全に落とす基本の手順
- 頑固な汚れを落とすためのコツと放置時間
- ホーローを傷つけないための注意点とやってはいけないこと
- 日頃のお手入れで焦げ付きを予防する方法
ストウブの焦げは重曹ですっきり解決

真っ黒に焦げ付いてしまったストウブを見ると「もう元の姿には戻らないかも…」と不安になるかもしれませんが、決して諦めないでください。
ストウブのような鋳物ホーロー鍋にとって、重曹を使ったお手入れは、メーカーも推奨する最も安全で確実なリカバリー方法なんです。
ここでは、なぜ重曹が効くのかという理由から、具体的な実践手順までを徹底的に解説していきますね。
重曹で焦げが落ちるメカニズム
「洗剤で洗っても落ちないのに、どうして重曹なら落ちるの?」と不思議に思いますよね。
これにはちゃんとした科学的な理由があるんです。
料理による焦げ付きや油汚れの多くは「酸性」の性質を持っています。
これに対し、重曹(炭酸水素ナトリウム)は「弱アルカリ性」の性質を持っています。
この2つが出会うと、酸性の汚れをアルカリ性の重曹が「中和」する化学反応が起こります。
さらに、重曹を加熱することで発生する炭酸ガスの微細な発泡作用が、こびりついた焦げと鍋の間に割って入り、汚れをペロンと浮かび上がらせてくれるのです。
つまり、物理的な力で削り落とすのではなく、化学の力で汚れを根元から分解して引き剥がす、鍋にとって最も優しい洗浄方法といえます。
特にストウブの内側は、ガラス質の「エマイユ加工」が施されているため、研磨剤入りの洗剤や硬いタワシで物理的に擦るのは厳禁です。
重曹による化学的な洗浄は、このデリケートな加工を守りながら汚れだけを撃退できる、理にかなった最高の方法なんですよ。
基本の落とし方と必要な準備

それでは、実際に焦げを落とす手順に入っていきましょう。
まずは必要な道具を揃えます。
どれもキッチンにあるものばかりなので、すぐに取り掛かれるはずです。
【用意するもの】
- 焦げ付いたストウブ鍋
- 重曹(お掃除用でも食用でもOKですが、大量に使うのでお掃除用がコスパ良しです)
- 水(鍋の焦げがしっかり浸かる量)
- 食用油(洗浄後のシーズニング用)
- ゴム手袋(肌が弱い方はあると安心です)
手順は非常にシンプルですが、一つひとつの工程を丁寧に行うことが成功への近道です。
- まず、鍋にぬるま湯を入れます。この時、焦げ付いている部分が完全に水没するように水位を調整してください。水位が低いと、沸騰した際に蒸発して焦げ部分が露出してしまい、効果がなくなってしまいます。
- 次に重曹を投入し、軽く混ぜて溶かします。
- 火にかけて沸騰させ、そのまま煮立たせます。
- 火を止めて放置し、最後に洗います。
たったこれだけ?と思うかもしれませんが、この「放置」の工程にこそ最大のポイントが隠されているんです。
焦って作業を進めず、じっくりと時間を味方につけることが大切ですよ。
重曹の量はどれくらい入れる?

「重曹ってどれくらい入れたらいいの?」という質問をよくいただきますが、ここは少し多めに入れるのがコツです。
一般的な目安としては、水1カップ(200ml)に対して大さじ1〜2杯程度がおすすめです。
例えば、20cmや22cmのラウンドココットで鍋底全体が焦げている場合、水は500ml〜1リットル近く入ると思いますので、重曹は大さじ3〜5杯くらい入れてしまっても構いません。
「入れすぎると鍋が痛むのでは?」と心配になるかもしれませんが、重曹は穏やかなアルカリ性なので、多少濃度が高くてもホーローを傷めることはありません。
むしろ濃度が薄すぎると、中和力が不足して焦げが十分に浮き上がらない可能性があります。
水に溶けきらずに粉が底に残っていても、沸騰させる過程で対流して作用しますので、あまり神経質にならず「ちょっと多いかな?」くらい大胆に入れてみてくださいね。
白く濁った重曹水が、これからいい仕事をしてくれます。
沸騰させてからの時間がポイント
重曹と水を入れたら、いよいよ加熱です。
まずは中火にかけ、沸騰するのを待ちましょう。
ボコボコと沸騰し始めたら、すぐに火を止めるのではなく、弱火にして10分〜15分ほどコトコト煮立たせてください。
この「煮る」工程には2つの意味があります。
1つは重曹とお湯を化学反応させて「炭酸ソーダ(より強いアルカリ性)」に近い状態に変化させ、洗浄力を高めること。
もう1つは、熱の力で焦げ付きの組織を緩めることです。
【吹きこぼれに注意!】
重曹水は沸騰すると発泡し、普通のお湯よりも盛大に泡立ちます。
強火のままだと一瞬で吹きこぼれてコンロが真っ白になってしまうので、沸騰したらすぐに弱火にし、フタはせずに様子を見ながら加熱してください。
ストウブは蓄熱性が高いので、一度沸騰すればごく弱火でも十分温度をキープできます。
グツグツと煮込むことで、重曹の成分が焦げの奥深くまで浸透していきますよ。
冷めるまで待つのが一番のコツ

ここが今回の作業の中で、最も重要と言っても過言ではありません。
10〜15分煮たら火を止めますが、絶対にすぐにお湯を捨てないでください。
お湯が完全に冷めるまで、そのまま数時間〜一晩放置するのが最大のコツです。
実は、汚れが剥がれる化学反応は、加熱中だけでなく、ゆっくりと冷めていく過程でも進行しています。
時間を置くことで、重曹が焦げと鍋の隙間にじわじわと入り込み、ふやかしてくれます。
私はいつも、夕食後にこの作業を行い、そのまま一晩キッチンに置いて寝てしまいます。
翌朝、鍋を覗き込むと、水が茶色く濁り、焦げがペラペラとめくれ上がっている様子が見られます。
この瞬間が本当に快感なんです!
冷めたら水を捨て、スポンジで軽く撫でるだけで、嘘のようにツルンと汚れが落ちます。
力を入れる必要は全くありません。
頑固な焦げ付きが残った場合は
もし一回で落ちきらなくても、がっかりしないでください。
炭のように分厚くなってしまった頑固な焦げは、一度では分解しきれないことがあります。
その場合は、スポンジで取れる部分だけ洗い流した後、もう一度「水と重曹を入れて煮る」工程を繰り返してみてください。
2回、3回と繰り返すことで、層になった焦げが薄皮を剥ぐように徐々に落ちていきます。
「失敗した」と焦ってスチールタワシで擦ってしまうのが一番のNG行為です。
あくまで化学の力で溶かすイメージで、根気よく繰り返しましょう。
【裏技:天日干し】
どうしても落ちない薄いシミのような焦げ跡には、「天日干し」が有効な場合があります。
鍋をよく乾かし、直射日光に数日間当ててみてください。
紫外線の分解作用で、色素が薄くなることがあるんです。自然の力ってすごいですよね。
ストウブの焦げに重曹を使う注意点

重曹は万能なアイテムですが、使い方を間違えると逆効果になったり、大切なストウブの寿命を縮めてしまう可能性もあります。
ここでは、長く愛用するために知っておきたい注意点と、正しいケアの知識を深めていきましょう。
ゴシゴシ擦るとホーローが傷つく
焦げが残っていると、つい「金たわし」や「クレンザー」、あるいは「メラミンスポンジ」でゴシゴシ擦り落としたくなりますが、これらはストウブにとって最大の敵であり、絶対に使ってはいけません。
ストウブの内側は、ざらざらしているように見えても「エマイユ加工」というガラス質の薄い膜で覆われています。
硬いもので擦ると、目に見えない微細な傷が無数につき、その傷に食材が入り込んで、余計に焦げ付きやすい鍋になってしまいます。
一度ついた傷は元には戻りません。
ストウブ公式通販サイトでも、焦げ付きなどの頑固な汚れには物理的な研磨ではなく、重曹などを使った化学的な洗浄が推奨されています。
(出典:ツヴィリング J.A. ヘンケルス ジャパン『ストウブのお手入れ方法』)
大切な鍋を守るためにも、「擦る」のではなく「溶かす・浮かす」という意識を常に持ってくださいね。
外側の汚れは重曹ペーストで

鍋の内側だけでなく、吹きこぼれが原因で外側の側面や底が茶色く焦げ付いてしまうこともありますよね。
外側は煮洗いができないので、そんな時は「重曹ペースト」を活用しましょう。
作り方は簡単。
小皿に重曹を入れ、少量の水を加えて練り、歯磨き粉くらいの硬さにするだけです。
このペーストを汚れた部分にたっぷりと塗りつけます。
その上からキッチンペーパーやラップを貼り付けて「パック」の状態にし、1〜2時間ほど放置して汚れを緩ませます。
その後、ラップを剥がして柔らかいスポンジで優しく洗い流せば、外側の汚れもスッキリ落ちます。
特に底面のロゴ周りなどは汚れが溜まりやすいので、たまにこのパックをしてあげると、新品のような輝きが戻りますよ。
重曹とお酢の使い分けについて
お掃除には「重曹」の他に「お酢(クエン酸)」もよく使われますが、この2つは得意な汚れが全く違います。
ここを間違えると、「せっかく煮洗いしたのに全然落ちない!」なんてことになりかねません。
| 汚れの種類 | 性質 | おすすめの洗剤 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 黒い焦げ付き・油汚れ | 酸性 | 重曹・セスキ (アルカリ性) | 肉や魚、油の焦げに効く。 中和して分解・発泡して浮かす。 |
| 白い斑点・虹色の変色 | アルカリ性 | お酢・クエン酸 (酸性) | 水道水のミネラル分が原因。 アルカリ汚れを酸で溶かす。 |
今回のテーマである「料理の焦げ付き」には、断然「重曹」です。
逆に、鍋底に白い斑点のような跡がついたり、虹色に変色したりした場合は、水垢(ミネラル分)が原因なので「お酢」でお手入れするのが正解です。
汚れの正体を見極めて使い分けることで、効率よくピカピカにできますよ。
普段のシーズニングで焦げ予防
焦げをきれいに落とした後のストウブは、クレンジング直後の肌のようにスッピンで無防備な状態です。
表面の油膜がなくなって乾燥しているので、そのまま料理をすると食材がくっつきやすくなってしまいます。
そこで必ず行ってほしいのが、油を馴染ませる「シーズニング(油ならし)」です。
完全に乾かした鍋の内側に、キッチンペーパーで少量の植物油(サラダ油などでOK)を薄く塗り広げます。
余裕があれば、弱火で数分加熱して油を馴染ませ、冷めてから余分な油を拭き取ると完璧です。
この一手間で、鍋肌に新しい油の膜ができ、食材のこびりつきを防ぐバリアになります。
「洗ったら油を塗る」を習慣にするだけで、次回の料理が快適になり、ひどい焦げ付きを未然に防ぐことにも繋がります。
まとめ:ストウブの焦げは重曹で
いかがでしたか?真っ黒に焦げたストウブを目の前にすると絶望的な気分になりますが、重曹と時間さえあれば、驚くほど簡単にリセットできることがお分かりいただけたかと思います。
焦がしてしまうのは、料理に挑戦している証拠です。
失敗を恐れずに、「焦げたらまた重曹でリセットすればいいや」くらいの軽い気持ちで、どんどんストウブを使っていってくださいね。
手をかけてケアした分だけ、ストウブは味わい深い表情になり、あなただけの一生モノの相棒に育ってくれます。
ぜひ今回の方法を試して、これからも美味しいストウブライフを楽しんでください!
※本記事の情報は一般的な対処法であり、個人の体験に基づいています。
製品の状態や焦げの程度によっては落ちない場合もあります。
最終的な判断はメーカーの公式サイト等も参考にしてください。

