こんにちは。まないたの・・・ 運営者の「mana」です。
日本料理の世界で圧倒的な信頼を誇る包丁ブランドの正本ですが、いざ購入しようと調べてみると築地正本と正本総本店という二つの名前が出てきて混乱してしまった経験はありませんか。
どちらも歴史ある素晴らしいメーカーなのですが、ネット上では偽物説やどっちがいいのかという議論も飛び交っていて、初めての方には少し分かりにくいのが現状かもしれません。
実はこの二社、ルーツは同じでありながら、現在では全く別の会社として運営されており、扱っている包丁の特徴や目指している方向性にも明確な違いがあります。
この記事では、私が実際に調べた情報を元に、築地正本と正本総本店の違いに関する歴史的背景や製品の特性について、分かりやすく紹介していきたいと思います。
- 創業のルーツを共有しながら別の道を歩んだ両社の歴史的な背景
- 包丁の刻印やロゴマークを見るだけで判別できる具体的な見分け方
- 総本店のKSシリーズと築地正本のV1鋼など鋼材や性能の違い
- 自分の用途や好みに合わせてどちらの正本を選ぶべきかの判断基準
築地正本と正本総本店の違いと歴史的背景

まずは、なぜ「正本」という名前を持つ会社が二つ存在するのか、その根本的な理由から紐解いていきましょう。
ここを理解すると、どちらが優れているかという単純な比較ではなく、それぞれの立ち位置が見えてきます。
創業からの歴史と分社の経緯
「正本」の歴史は非常に古く、そのルーツは江戸時代末期まで遡ります。
初代・松沢巳之助が1845年(弘化2年)に関東で生まれ、その後、刃物の本場である堺で修行を積んで独自の技術を確立したことが始まりとされています。
実は、現在私たちが目にする「正本総本店」と「築地正本」は、この同じ創業者を起源に持つ、いわば親戚関係にあるブランドなんです。
具体的には、戦後の混乱期を経て1951年頃に暖簾分けのような形で分社化したと言われています。
本家としての伝統と格式を守り、全国や海外への卸売りを展開していったのが墨田区吾妻橋に拠点を置く「正本総本店」。
一方で、日本の台所である築地市場という特殊な現場に特化し、プロの料理人と対面で商売をすることを選んだのが「築地正本」です。
築地正本の公式サイトにも「弊社先代秀吉の兄の系譜で親戚筋に当りますが、製品そのもの、価格設定および経営内容に違いがあります」と明記されているように、現在は完全に独立した別会社として運営されています。
喧嘩別れなどではなく、それぞれの得意分野に合わせて進化を遂げた結果、二つの正本が並立するようになったと考えるのが自然ですね。(築地正本公式サイト)
刻印やロゴによる見分け方

実際に包丁を手に取ったとき、あるいはネット通販の画像を見たときに、どちらの「正本」なのかを見分けるポイントは、ずばり「刻印」と「ロゴ」にあります。
ここさえ押さえておけば、迷うことはまずありません。
まず「正本総本店」の包丁ですが、基本的には刃に「正本」という文字が大きく刻まれ、その近くに小さく「総本店」と入っていることが多いです。
また、トレードマークとして「登録商標」の文字や、丸の中に「正」の字が入ったロゴが使われています。
パッケージや包み紙にも高級感があり、伝統的な和の格式を感じさせるデザインが特徴です。
一方、「築地正本」の場合は、明確に「築地正本」という文字列が一続きで刻印されているのが最大の特徴です。
「築地」という地名が入っているかどうかが決定的な違いですね。
ロゴに関しても、築地独自の丸いデザインや、アルファベットで「TSUKIJI MASAMOTO」と表記されていることがあります。
特に、築地のお店で購入すると、その場で職人さんが名前を彫ってくれるサービスも有名で、この手彫りの銘の雰囲気も、市場ならではの味があって素敵なんですよ。
偽物説の誤解とブランドの真実

インターネットで検索していると、「正本の偽物があるらしい」とか「どちらかが偽物なのではないか」といった噂を目にすることがあります。
これ、実は大きな誤解なんです。
先ほど歴史の項でも触れましたが、両社は正規の血縁関係にあり、正当な理由で暖簾分けされた別の会社です。
ですから、「どちらも本物の正本である」というのが真実です。
偽物という言葉が使われる背景には、おそらくロゴが似ていることや、片方のファンがもう一方を認めないといった感情的な対立、あるいは全く無関係な第三国製のコピー品が出回っていることなどが混ざり合っているのだと思います。
💡 manaのメモ
海外の掲示板(Redditなど)でも “Masamoto Sohonten vs Tsukiji Masamoto” という議論は非常に熱く交わされていますが、結論としては「スタイルと用途の違い」として落ち着くことが多いです。
したがって、私たちが購入を検討する際は、「本物か偽物か」を心配するのではなく、「自分の求めているスタイルはどちらの正本なのか」を考えることが大切です。
ブランドの正統性を疑う必要はありませんので、安心して選んで大丈夫ですよ。
本霞や本焼など包丁の種類

「正本」の包丁を選ぶ際に必ず目にするのが、「本霞(ほんかすみ)」や「本焼(ほんやき)」といった用語です。
これらはブランド名ではなく、包丁の製造ランクや製法を表す言葉で、両社ともにこれらのグレードを展開しています。
「本霞(Hon-Kasumi)」は、硬い鋼と軟らかい鉄を組み合わせた構造で、研ぎやすく扱いやすいのが特徴です。
正本クラスになると、この本霞の仕上げが非常に丁寧で、歪みが少なく美しい刃がついていることで知られています。
プロの料理人の多くが愛用しているのもこのランクですね。
一方、「本焼(Hon-Yaki)」は、日本刀のように単一の鋼材で作られた最高級品です。
製造が極めて難しく、価格も数倍に跳ね上がりますが、その切れ味と硬度は別格です。
正本総本店も築地正本も、それぞれの職人の技術を結集した素晴らしい本焼包丁を持っています。
ただし、同じ「本霞」と言っても、総本店と築地では使用している鋼材や仕上げのニュアンスが微妙に異なります。
総本店はより美術的な美しさを追求し、築地は実用的な頑丈さを重視する傾向があると言われています。
築地と吾妻橋の店舗の違い

最後に、物理的な店舗の違いについても触れておきましょう。
お店の雰囲気も、それぞれのブランドカラーを色濃く反映していて面白いんです。
「正本総本店」は、東京都墨田区の吾妻橋に本社を構えています。
こちらは基本的にメーカーの本社機能といった趣が強く、一般客がふらっと立ち寄って買い物をするというよりは、全国の百貨店や専門店への供給拠点としての役割が大きいです(もちろんショールーム的な機能もありますが)。
製品は高級百貨店や「一品逸品亭」などの正規代理店、あるいは海外の有名刃物店を通じて購入するのが一般的です。
対して「築地正本」は、その名の通り築地場外市場に直営店があります。
こちらはまさに「現場」そのもの。
市場独特の活気に包まれ、プロの料理人が買い出しのついでに立ち寄り、店員さんと相談しながら道具を選ぶスタイルです。
実際に店舗に行くと、たくさんの包丁がずらりと並んでいて、手に取って重心を確かめたり、その場で研ぎの相談をしたりできるのが大きな魅力です。
築地という場所柄、観光客の方も多く訪れていますね。
築地正本と正本総本店の違いと製品の特徴

ここからは、もう少しマニアックに、製品そのものの性能や特徴にフォーカスしていきましょう。
包丁好きの間でよく話題になる「KS」や「V1」といったキーワードについても紹介します。
総本店が誇るKS牛刀の性能
正本総本店を語る上で絶対に外せないのが、伝説とも言われる「KSシリーズ」です。
特に「KS牛刀(Wa-Gyuto)」は、世界中のナイフマニアが探し求めるほどの人気アイテムとなっています。
このKSシリーズ最大の特徴は、刃の形状(プロファイル)にあります。
一般的な牛刀に比べて刃のラインが平ら(フラット)で、切っ先が鋭く尖ったデザインになっています。
これにより、野菜の千切りなどが驚くほどスムーズに行えると評判なんです。
- 鋼材には純度の高い「白紙2号(White Steel No.2)」を使用。
- カミソリのような鋭い切れ味と、研ぎやすさを両立。
- 海外での人気が爆発的で、常に入手困難な状態が続いている。
総本店の包丁は、切れ味はもちろんのこと、「所有する喜び」を満たしてくれる美しさがあります。
柄の取り付けから刃の磨き上げまで、一切の妥協がない工芸品のような仕上がりは、さすが本家といったところでしょう。
築地正本のV1鋼と実用性

一方、築地正本がプロから絶大な支持を得ている理由の一つに、独自の素材選びがあります。
その代表格が「V1鋼」を使用したシリーズです。
V1鋼は、炭素鋼の一種ですが、純粋な炭素鋼に比べて不純物が少なく、さらにタングステンなどを配合することで「粘り(靭性)」と「耐摩耗性」を高めた素材です。
市場のような忙しい現場では、硬すぎる刃は欠けるリスクがありますが、V1鋼は切れ味を保ちつつも欠けにくいという、実務において最強のバランスを持っています。
また、築地正本の洋包丁には、鋼材を示す刻印が入っていることがあります。
「A」とあれば青紙や炭素鋼系、「S」とあればステンレス系といった具合です。
築地正本は「道具として使い倒す」ことを前提に作られているため、少々ラフに使っても応えてくれる頼もしさがあります。
質実剛健な包丁を求めている方には、まさにうってつけの選択肢と言えるでしょう。
ユーザーからの評価と評判

実際に使っているユーザーの声を聞いてみると、両社のキャラクターの違いがよりはっきりと浮かび上がってきます。
正本総本店のユーザーからは、
「箱を開けた瞬間のオーラが違う」
「切れ味が繊細で、食材の細胞を壊さない感覚がある」
といった、品質と美学に対する称賛の声が多く聞かれます。
一方で、
「価格が高い」
「勿体無くて使えない」
といった嬉しい悲鳴も。
ステータスシンボルとしての側面も強いようですね。
築地正本のユーザーからは、
「毎日大量の魚を捌くけど、刃持ちが良い」
「店員さんが親身になって包丁を選んでくれた」
といった、実用面とサービス面での高評価が目立ちます。
「総本店より少しリーズナブルだけど、性能は遜色ない」
という、コストパフォーマンスを評価する声も多いです。
ただし、プロ仕様ゆえに「錆びやすいので手入れは必須」という覚悟を求める声も共通しています。
購入ガイドとメンテナンス

では、最終的に購入するならどうすれば良いでしょうか。
また、購入後のメンテナンスについても触れておきます。
【購入場所】
正本総本店は、公式サイトやAmazonなどの大手通販、百貨店のキッチン用品売り場で購入可能です。
一方、築地正本は築地の直営店か、公式オンラインショップが主な購入ルートになります。
両社ともに主力製品は「炭素鋼(ハガネ)」です。
これは非常に錆びやすい素材です。
使用後は必ず水分を拭き取り、長期間使わない場合は椿油などを塗って保管してください。
特に初めて和包丁を持つ方は、ステンレスの感覚で放置すると数十分で赤錆が出てしまうので注意が必要です。
でも、その手入れの手間さえ愛おしくなるのが、本物の包丁を持つ醍醐味でもあります。
定期的に砥石で研いであげることで、一生モノの相棒になりますよ。
築地正本と正本総本店の違いまとめ
ここまで、築地正本と正本総本店の違いについて、歴史や製品特性から詳しく見てきました。最後に、それぞれの特徴をまとめておきます。
| 比較項目 | 正本総本店 (Sohonten) | 築地正本 (Tsukiji) |
|---|---|---|
| 拠点 | 墨田区吾妻橋(本家) | 築地場外市場(分家) |
| 特徴 | 伝統、格式、美術的仕上げ | 現場主義、実用性、対面販売 |
| 代表作 | KSシリーズ(白紙2号) | V1シリーズ(炭素鋼) |
| おすすめ | 完璧な美と性能を求める方 | タフに使える相棒が欲しい方 |
結論として、「どちらが上か」ではなく「どちらが自分に合っているか」で選ぶのが正解です。
憧れのKSを手にして料理のモチベーションを上げるのも良し、築地のV1でガンガン料理の腕を磨くのも良し。
どちらを選んでも、その切れ味は間違いなくあなたの料理の世界を変えてくれるはずです。ぜひ、あなたにぴったりの一本を見つけてくださいね。

