竹のまな板は、竹材の特性と天然素材の魅力から多くの家庭で愛用されています。
しかし、そのメリットだけでなくデメリットも理解することが大切です。
例えば、木製まな板との違いを把握し、ご家庭に合った選び方をすることも重要になります
。正しいお手入れ方法を知らないと、気になる黒ずみや汚れ、さらにはカビが発生してしまうことも。
この記事では、竹のまな板の基本的なお手入れ方法から、長く使うコツまで詳しく解説していきます。
- 竹のまな板の基本的なお手入れ手順
- 黒ずみやカビを防ぐための注意点
- まな板を長持ちさせるためのメンテナンス方法
- 購入前に知っておきたいメリット・デメリット
竹のまな板の基本知識

- 竹のまな板の基本的な特徴とは?
- 竹のまな板の選び方のポイント
竹のまな板の基本的な特徴とは?
竹のまな板は、その独特の素材感と機能性で人気を集めています。
まずは、竹という素材が持つ基本的な特徴や、他の素材、特に木製のまな板と比較した場合のメリット・デメリットを理解しておきましょう。
メリット
竹のまな板が持つ大きなメリットは、その速乾性と抗菌作用です。
竹は繊維の密度が高く、水を吸いにくいため、木製のまな板に比べて乾燥が早いという特徴があります。
これにより、雑菌の繁殖を抑えやすく、衛生的に使用することが可能です。
また、素材自体が持つ天然の抗菌作用も、清潔さを保つ上で役立ちます。
さらに、竹は成長が非常に早い植物であるため、環境に優しいサステナブルな素材である点も魅力の一つと言えるでしょう。
デメリットと注意点
一方で、デメリットも存在します。
竹は木に比べて硬い素材であるため、包丁の刃が傷みやすいという点が挙げられます。
料理の種類や包丁によっては、切る際の「トントン」という音が響きやすいと感じる方もいるかもしれません。
また、乾燥に強い反面、乾燥しすぎるとささくれやひび割れが起こる可能性があります。
このため、後述する定期的なオイルメンテナンスが重要になります。
食洗機や長時間のつけ置きはNG
竹は水分や熱による膨張・収縮が起こりやすい素材です。
食洗機の高温や乾燥、長時間のつけ置きは、反りや割れの原因となるため絶対に避けてください。
木製まな板との比較
ここで、代表的な素材である木(特にヒノキなど)と竹のまな板の違いを表で整理してみましょう。
項目 | 竹製のまな板 | 木製(ヒノキなど)のまな板 |
---|---|---|
硬さ | 硬い | 柔らかい |
包丁への優しさ | 刃こぼれしやすい場合がある | 刃に優しい |
乾燥の速さ | 速い | 比較的遅い |
抗菌作用 | あり(素材由来) | あり(ヒノキチオールなど) |
メンテナンス | 定期的なオイルケアが推奨される | 使用後の乾燥が特に重要 |
価格 | 比較的安価なものが多い | 価格帯が広い |
どちらが良いというわけではなく、それぞれの特性を理解し、ご自身の調理スタイルや重視するポイントに合わせて選ぶことが大切です。
竹のまな板の選び方のポイント

竹のまな板を選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえることで、より快適に長く使える一枚を見つけることができます。
ここでは、主な3つのポイントを紹介します。
サイズと厚みで選ぶ
まずは、キッチンのスペースや調理する食材の量に合わせてサイズを選びましょう。
一人暮らしのコンパクトなキッチンであれば小さめのものを、家族が多く大きな野菜などを頻繁に切る場合は大きめのものが適しています。
厚みも重要なポイントです。
厚みがあるほど安定感が増し、食材を切りやすくなります。
一方で、厚すぎると重くなり、洗う際の取り回しが大変になるため、バランスを考えて選びましょう。
加工方法で選ぶ
竹のまな板は、竹をどのように貼り合わせて作られているかによって種類が分かれます。
一枚板に近い「集成材」タイプは見た目が美しく、竹本来の風合いを楽しめます。
一方で、細かくブロック状に組み合わせた「積層材」タイプは、反りにくいというメリットがあります。
また、表面のコーティングの有無も確認すると良いでしょう。
オイル仕上げのものは自然な風合いですが、ウレタン塗装などのコーティングが施されているものは、汚れや水分が染み込みにくいという利点があります。
私の場合は、調理スペースが限られているので、少し小さめで収納しやすい厚さのものを選んでいます。
表面はオイル仕上げで、定期的に自分でお手入れすることで愛着も湧いてきますよ。
安全性で選ぶ
口に入る食材を直接のせるものだからこそ、安全性は非常に重要です。
特に、竹を貼り合わせる際に使用される接着剤が、食品衛生法の基準をクリアしているかどうかを確認することをおすすめします。
商品説明に「食品衛生法適合」や「F☆☆☆☆(フォースター)」などの記載がある製品を選ぶと、より安心して使用できます。参照:アズワン 食品衛生法適合品とポジティブリストについて
竹のまな板の正しいお手入れ方法

- 日常のお手入れ方法【使用後すぐ】
- 長持ちさせるためのお手入れ【定期的】
- やってはいけない!NGなお手入れ方法
日常のお手入れ方法【使用後すぐ】
竹のまな板を清潔に保ち、長持ちさせるための基本は、毎日の使用後のお手入れです。
難しいことはなく、「洗う」と「乾かす」の2つのステップを徹底することが何よりも重要です。
日常お手入れの2ステップ
1. 食器用洗剤でしっかり洗浄する
2. 風通しの良い場所で完全に乾燥させる
ステップ1:洗浄
使用後は、できるだけ早く食器用の中性洗剤とスポンジを使って、表面の汚れや食材の残りなどを丁寧に洗い流してください。
特に、肉や魚を切った後は、雑菌が繁殖しやすいため、念入りに洗うことを心がけましょう。
洗剤が残っていると、それが劣化の原因になることもあります。
そのため、すすぎは十分すぎるくらい丁寧に行うのがポイントです。
ステップ2:乾燥
洗浄が終わったら、清潔な布巾で水気をしっかりと拭き取ります。
その後、風通しの良い場所で立てかけて、完全に乾燥させます。
壁に立てかける場合は、壁との接地面が少なくなるように置くと、空気が通りやすく効率的に乾かせます。
濡れたままの状態が続くと、黒ずみやカビの最大の原因となります。
中途半端に乾かすのではなく、両面とも完全に乾かしきることが大切です。
長持ちさせるためのお手入れ

毎日のお手入れに加えて、月に1回程度の念入りなケアを行うことで、竹のまな板をより良い状態で長く使い続けることができます。
これは「シーズニング」とも呼ばれ、乾燥によるささくれや割れを防ぎ、汚れをつきにくくする効果があります。
オイルコーティング
まな板の表面がカサついてきたと感じたら、オイルを塗って保湿してあげましょう。
これにより、乾燥を防ぎ、ささくれの発生を抑えることができます。
【手順】
- まな板が完全に乾いている状態で、表面の細かな傷が気になる場合は、目の細かいサンドペーパー(400番程度)で軽く表面を磨きます。
- 乾いたきれいな布に、食用の植物油(オリーブオイル、亜麻仁油、くるみ油など)を少量含ませます。
- 木目に沿って、オイルを薄く均一に塗り広げます。
側面や裏面も忘れずに塗りましょう。 - オイルを塗布した後、風通しの良い場所で一晩ほど置いて、しっかりと乾燥させれば完了です。
どんなオイルを使えばいい?
家庭にあるオリーブオイルでも代用可能ですが、より本格的なケアをしたい場合は、乾きやすい性質を持つ亜麻仁油(あまにゆ)やくるみ油などの「乾性油」がおすすめです。
やってはいけない!NGなお手入れ方法

良かれと思ってやっているお手入れが、実はまな板の寿命を縮めている可能性があります。
ここでは、竹のまな板で絶対に避けるべきNGな取り扱い方法を解説します。
食洗機の使用
前述の通り、食器洗い乾燥機の使用は厳禁です。
高温のお湯と強力な乾燥は、竹を急激に膨張・収縮させ、反りや割れ、接着部分の剥がれを引き起こす大きな原因となります。
必ず手洗いするようにしてください。
長時間のつけ置き洗い
汚れを落とそうと、水やお湯に長時間つけ置きするのも避けましょう。
竹が必要以上に水分を吸い込んでしまい、乾燥しにくくなるだけでなく、雑菌の繁殖やカビの原因にもなります。
汚れは放置せず、使用後すぐに洗い流す習慣が大切です。
直射日光での乾燥
早く乾かしたいからといって、直射日光に当てるのは逆効果です。
急激な乾燥は、ひび割れや反りを引き起こす原因になります。
乾燥させる際は、必ず風通しの良い日陰を選んでください。
【悩み別】竹のまな板のトラブル対処法

- 黒ずみ・カビが発生した場合
- 傷やささくれが目立つ場合
- 臭いが気になる場合
黒ずみ・カビが発生した場合
気をつけていても、黒ずみやカビが発生してしまうことはあります。
もし発生してしまった場合は、初期段階であれば対処が可能です。
諦める前に、以下の方法を試してみてください。
黒ずみ・カビの除去手順
1. 表面をサンドペーパーで磨く
2. オイルでコーティングする
3. 天日干しで殺菌・乾燥させる
まず、目の細かいサンドペーパー(紙やすり)で、黒ずみやカビが発生している部分を中心に、表面を薄く削り取ります。
全体を均一に削るのがポイントです。
削り終わったら、木の粉をきれいに拭き取り、前述の定期的なお手入れと同様にオイルを塗ってコーティングします。
最後に、短時間だけ天日干しをすることで、太陽光による殺菌効果が期待できます。
ただし、長時間の天日干しは反りの原因になるため、様子を見ながら短時間で行いましょう。
漂白剤の使用について
塩素系の漂白剤は素材を傷める可能性があるため、基本的には推奨されません。
使用する場合は、必ず製品の注意書きを確認し、目立たない場所で試してから自己責任で行ってください。
傷やささくれが目立つ場合
包丁による傷や、乾燥によるささくれが気になってきた場合も、サンドペーパーが役立ちます。
黒ずみの場合と同様に、目の細かいサンドペーパーで表面が滑らかになるように優しく研磨してください。
ささくれは、まな板が乾燥しているサインでもあります。
研磨した後は、必ずオイルを塗布して保湿ケアを行いましょう。
これにより、新たなささくれの発生を予防できます。
臭いが気になる場合

ニンニクや魚など、臭いの強い食材を切った後に臭いが残ってしまうことがあります。
このような場合は、塩や重曹を使った消臭方法が有効です。
【消臭の手順】
- まな板全体を水で濡らします。
- 塩または重曹をまな板の表面にたっぷりと振りかけます。
- スポンジやタワシで優しくこすり洗いします。
- 最後に、水で十分に洗い流し、しっかりと乾燥させます。
また、熱湯をさっとかけることで殺菌・消毒効果も期待できます。
ただし、長時間をかけると反りの原因になるため、数十秒程度に留めてください。
竹のまな板は正しいお手入れで長く愛用しよう
この記事では、竹のまな板の正しいお手入れ方法から、長く使うためのコツ、トラブル対処法までを詳しく解説しました。最後に、記事全体の要点をリストで振り返ってみましょう。
- 竹のまな板は速乾性と抗菌作用がメリット
- 一方で硬いため包丁の刃を傷める可能性もある
- 乾燥しすぎるとささくれや割れの原因になる
- 日常のお手入れは「洗浄」と「完全な乾燥」が基本
- 使用後はすぐに中性洗剤で洗い、よくすすぐ
- 洗浄後は風通しの良い場所で立てかけて乾かす
- 食洗機や長時間のつけ置きは反りや割れの原因になるためNG
- 直射日光での乾燥も避けるべき
- 月に1回程度、オイルを塗る定期メンテナンスがおすすめ
- オイルケアは乾燥を防ぎ、ささくれを予防する
- 黒ずみやカビはサンドペーパーで削り落とせる場合がある
- 傷やささくれもサンドペーパーで表面を滑らかにできる
- 研磨後は必ずオイルで保湿する
- 臭い移りは塩や重曹でこすり洗いすると効果的
- 正しい知識でお手入れすれば、竹のまな板は長く使える調理道具になる
天然素材である竹のまな板は、プラスチック製にはない温かみや魅力があります。
少しの手間をかけてあげるだけで、キッチンに立つのがもっと楽しくなるはずです。
この記事を参考に、ぜひあなたの大切なまな板を長く愛用してください。