「今日もお疲れ様!」
仕事から帰宅し、息つく暇もなく子どもの塾の準備。
「お腹空いたー」という声に、とりあえず買ってきたパンやお惣菜を渡して、「行ってらっしゃい!」と送り出す…。
そんなバタバタな毎日を送っていませんか?
そして、塾から帰ってきた我が子が、なんだかどんよりした顔で「眠くて全然頭に入らなかった…」なんて言うと、胸がチクリと痛みますよね。
「私がもっとちゃんとしたご飯を作ってあげられていれば」と、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
でも、安心してください。
それはお母さんの料理の腕や、お子さんのやる気の問題ではないんです。
実は、「食べるタイミング」と「量」のミスマッチが起きているだけかもしれません。
私自身、かつては「腹が減っては戦ができぬ」とばかりに、塾前にガッツリ食べさせ、帰宅後も「家族団らんだから」と一緒に夕飯を食べていました。
その結果、子どもは塾で船を漕ぎ、夜は胃もたれで朝起きられない…という悪循環に。
そこでたどり着いたのが、アスリートも実践する「分食(ぶんしょく)」という考え方です。
これを導入してからは、夕方のバタバタが減ったのに、子どもの集中力はアップし、朝もスッキリ目覚められるようになりました。
この記事では、忙しい共働きママだからこそ実践してほしい、「頑張りすぎない塾ごはん」の正解をお伝えします。
夕飯作りがむしろ楽になる、そんな魔法のようなスケジュール管理術を一緒に見ていきましょう。
なぜ「しっかり食べなさい」が逆効果なのか?体の正直な反応

「塾で頑張るんだから、スタミナをつけなきゃ!」
その親心、痛いほどわかります。
しかし、これから脳をフル回転させる塾の時間帯に「満腹」状態を作ることは、実は体にとって大きな負担なのです。
なぜ「食べ過ぎ」が敵になるのか、少しだけ体の内側の話をさせてください。
胃腸が働くと脳がサボる?体内で起こる「血液の取り合い」

私たちの体にある血液の量は決まっています。
食事をすると、体は全力で消化活動を行おうとします。
胃や腸といった消化器系に大量の血液が集まり、ポンプのように動き出すのです。
ここで問題になるのが、「脳と胃腸による血液の綱引き」です。
塾の授業中、脳は酸素と栄養を運ぶ血液を大量に必要としています。
しかし、直前にカレーや揚げ物弁当などをガッツリ食べてしまうと、体は「まずは消化だ!」と判断し、血液を胃腸へ優先的に送ってしまいます。
するとどうなるか?
脳への血流が手薄になり、「ボーッとする」「思考がまとまらない」という状態が生まれます。
子ども本人は「頑張って先生の話を聞こう」と思っているのに、体が「今は休んでて」と脳に指令を出してしまうようなものです。
これでは、せっかくの塾の時間がもったいないですよね。
さらに、消化しきれなかった食べ物が胃に残ったまま帰宅し、そこにまた夕飯を重ねてしまうと、今度は寝ている間も内臓が残業し続けることになります。
これが「朝起きられない」「朝食が入らない」という負のサイクルの入り口です。
やる気があるのにウトウト…「血糖値ジェットコースター」の正体

もう一つの犯人は、「血糖値の乱高下」です。
空腹の状態で、菓子パンや甘いジュース、おにぎりを一気に2〜3個かきこむと、血液中の糖分(血糖値)が垂直に跳ね上がります。
いわゆる「血糖値スパイク」です。
脳の栄養は糖分なので、一見良さそうに思えますが、体は急激な変化を嫌います。
「上がりすぎた!」と慌ててインスリンというホルモンを大量放出し、今度は血糖値を急降下させてしまうのです。
この「急降下の瞬間」に、強烈な眠気やダルさが襲ってきます。
これは大人の会議中でも経験があるのではないでしょうか?
ランチで炭水化物をドカ食いした後の、あの抗えない眠気です。
あれと同じことが、塾の授業中に小さなお子さんの体で起きています。
「やる気がないから寝るんだ」と叱らないであげてください。
これは意志の弱さではなく、「食事のとり方が引き起こした生理現象」なのです。
夕飯作りが楽になる!「分食(ぶんしょく)」という戦略

では、どうすればいいのでしょうか?
答えはシンプルです。
「1回の夕飯で完結させようとしない」こと。
夕飯を「塾前」と「塾後」の2回に分ける「分食(ぶんしょく)」こそが、共働き家庭の救世主となります。
塾前は「ガソリン」、塾後は「メンテナンス」。役割を変えるだけ
2回も食事を用意するなんて無理!と思わないでください。
2回料理をするわけではありません。
「メニューの役割分担」をするだけです。
1回目(塾前):脳を動かすための「ガソリン給油」
目的:授業中の集中力キープ
主役:炭水化物(おにぎり、パンなど)
量:いつもの半分以下(腹5〜6分目)
2回目(塾後):疲れた体を修復する「メンテナンス」
目的:筋肉や体の成長、リラックス
主役:タンパク質・野菜(おかず、汁物)
量:炭水化物はナシか一口だけ

このように分けることで、塾中は血糖値が安定して眠くなりにくく、帰宅後は消化の良いものだけを食べるので、睡眠の質も守られます。
17時の炭水化物、21時のタンパク質。黄金のタイムスケジュール
具体的なスケジュールのイメージはこんな感じです。
【17:00〜17:30】 塾前の軽食(第1夕飯)
仕事から帰宅直後、または塾への移動中。
「お腹空いた!」のタイミングです。
ここで渡すのは「おにぎり1個」や「バナナ」だけ。
「えっ、これだけ?」と思うかもしれませんが、これから座って勉強するだけなので、カロリー満タンにする必要はありません。
脂っこいものは消化に悪いのでNG。
サッとエネルギーになる炭水化物を入れます。
【21:00〜21:30】 塾後の癒やしご飯(第2夕飯)
「ただいまー」と帰ってきたら、温かい「具だくさんスープ」や「メインのおかず(肉・魚)」を出します。
ご飯(白米)は、塾前におにぎりを食べているので、ここではあえて出しません(欲しがるならお茶碗半分以下のお茶漬けで)。

これなら、遅い時間に炭水化物を摂りすぎて太る心配も減りますし、お母さんも「ご飯を炊いておかなくてもいい」というメリットがあります。
包丁いらず!コンビニ&冷凍食品で乗り切る「賢い手抜き」具体策

毎日手作りなんて、忙しい私たちには不可能です。
「今日は無理!」という日は、コンビニやスーパーの力を堂々と借りましょう。
選ぶ基準さえ間違えなければ、立派な栄養管理になります。
塾前に最適!片手でパクつける「脳の燃料」リスト
塾前は「脂質(油)を避ける」のが鉄則です。
油は胃に長く居座り、授業中の集中力を邪魔します。
コンビニおにぎり:
◎:鮭、梅、昆布、赤飯(消化が良い)
△:ツナマヨ、カルビ、チャーハン(油が多い)
パン選びのコツ:
◎:蒸しパン、バゲットサンド、アンパン(脂質が低め)
×:カレーパン、デニッシュ、カツサンド(消化に時間がかかる)
その他の神アイテム:
カステラ・羊羹:実はスポーツ選手も愛用する優秀なエネルギー源。脂質ほぼゼロです。
飲むゼリー:食欲がない時や時間がない時の最強の味方。

塾後にホッとする!5分で完成「リセットスープ」
塾後のキーワードは「温かさ」と「タンパク質」。
興奮した脳をリラックスモードへ切り替えます。
「冷凍水餃子」のスープ:
お鍋にお湯を沸かし、鶏ガラスープの素と冷凍水餃子、カット野菜を入れるだけ。
炭水化物(皮)、肉、野菜が一度に摂れて消化も抜群。
サラダチキンのポトフ風:
コンビニのサラダチキンを手でほぐし、トマトジュースとコンソメで煮るだけ。高タンパク・低脂肪の代表選手です。
豆腐と卵のレンジ蒸し:
耐熱ボウルに豆腐、卵、麺つゆを入れてレンチン。究極の時短&胃に優しいメニュー。

よくある質問:先輩ママのリアルな悩み
Q. 塾前にお菓子を食べさせても大丈夫ですか?
A. 「グミ」や「ラムネ」なら、むしろ味方になります!
スナック菓子やチョコは油と砂糖の塊なので、眠気を誘いやすくおすすめしません。
でも、勉強の合間の糖分補給は大切。
噛むことで脳が目覚める「ハードグミ」や、脳の直接的な栄養になるブドウ糖主体の「ラムネ」は、塾カバンに忍ばせておくと良いお守りになりますよ。
Q. 帰宅後、疲れすぎて「食べずに寝たい」と言われます。
A. 無理強いはNG。でも「温かい水分」だけは摂らせて。
何も食べずに寝ると、低血糖で夜中に目が覚めたり、翌朝のダルさにつながったりします。
固形物が無理なら、ホットミルクやポタージュスープ、ホットココアだけでもOK。
温かいものが胃に入ると副交感神経が優位になり、泥のように深く眠れるようになります。
まとめ
完璧じゃなくていい。
賢い「手抜き」で子どもをサポートしよう。
塾前の「食べ過ぎ」を防ぐことは、単なるダイエットや健康管理ではなく、「お子さんの努力を無駄にしないための戦略」です。
塾前は「軽めの炭水化物」で脳のスイッチON
塾後は「温かいおかず」で体のケア&リラックス
この「分食」のリズムさえ掴めれば、毎晩の「何食べさせよう…」という悩みから解放され、夕飯の準備もぐっとシンプルになります。
すべて手作りする必要はありません。
コンビニのおにぎりでも、冷凍食品でも、タイミングと組み合わせさえ合っていれば、それは立派な「サポート食」です。
お母さんが笑顔でいることが、子どもにとって一番の栄養。
まずは今日から、夕飯のご飯(お米)を、塾前の時間におにぎりにして渡してみることから始めてみませんか?
参考データ・検証元
・厚生労働省 「健康日本21アクション支援システム(血糖値)」
・農林水産省 「実践食育ナビ(栄養バランスガイド)」
・日本スポーツ振興センター「栄養」



